JAPAN WRITING INSTRUMENTS MANUFACTURERS ASSOCIATION
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  第 13回JWIMA会員研修会
日本筆記具工業会
2016.11.8
第 13回 JWIMA会員研修会開催
   11月8日台東区の上野精養軒にて、第13回JWIMA会員研修会を開催しました。この研修会は、会員同士の情報共有と交流をはかるために毎年実施しており、講座も会員のニーズに合わせて各分野のスペシャリストに講師をお願いしています。
   今回も約70名の会員が出席、それぞれの講義に熱心に耳を傾けていました。

研修会テーマと講師
【第一部】 ビッグデータの活用
講師:中小企業診断士/㈱スプラム 代表取締役社長 竹内幸次 氏
  
【第二部】 私にとって「書く」行為とは 
講師:ステーショナリーディレクター・文具コンサルタント/土橋正事務所 代表 土橋 正 氏
 
【第一部】 ビッグデータの活用
講師:
中小企業診断士/㈱スプラム 
代表取締役社長 竹内幸次 氏
     経済産業省では、現在500兆円のGDPを2020年に600兆円にする「日本再興戦略」を立てており、その方策の1つである「第4次産業革命」の目玉にIoT・ビッグデータ・AI・ロボットをあげている。
   ビッグデータとは、通常のデータベースソフトで扱えないような複雑・多様化した巨大なデータの集まりで、①構造化データ(経理・販売・在庫データなど)と②非構造化データ(文書・画像・動画など)に分類される。企業が抱えるデータの80%は非構造化データであり、またソーシャルメディア利用者の増大によりインターネット上でも非構造化データが急増し、データ総容量が爆発的に増えている。そのためITベンダーは、「ビッグデータ」を分析・活用するソリューションの開発を急いでいる。

   業界や組合活動からは日々様々な情報が発生しており、この情報を強大なデータベースとして活用していくことは、業界や組合の新規事業開発、新サービスの開発、顧客への有効なアプローチの実現、既存取引先の満足度向上など、様々なメリットをもたらすと予想されている。
   例えば、組合が所属する産業の法規制情報、顧客層がブログやツイッター等で投稿したキーワード、組合員企業とのメール交流で使われたキーワード、会議等の議事録上のキーワード等が「非構造化データであり、これらを分析することが有用と考えられる。

   Googleでも簡単に利用できるビッグデータがあるので紹介する。
Google Trends :入力した単語の検索数を時系列にグラフで示してくれるので、消費者の関心度のピーク時期や増減傾向が把握できる。
YouTube Dashboard :YouTubeにあげた自分のチャンネルに対する視聴回数や登録者数などの統計情報を確認でき、その動画に対するコメントを受け取ったり返したりできるので、投げかけた動画に対する反響を知ることができる。
The Customer Journey to Online Purchase :顧客が商品やブランドを認知してから購入に至るまでにどのような行動をとっているか、業界や国などによってチャネル(集客手段)がそれぞれどのような役割を果たしているのか、その傾向を知ることができる。
Motion Portrait :ソニーが開発したソフトで、着物、メガネ、コスメなどのフィッティングシュミレーションができる。

   それ以外でも「リーサス(RESAS)」という国が公開している地域経済分析のビッグデータベースがあり、ここには「産業マップ」「人口マップ」「観光マップ」「自治体比較マップ」のメニューがある。例えば「観光マップ」では、ある地域に、1日平均何人の外国人が訪れたか、またどこの国の人が多かったか、月ごとの変動はどうなっているか、そこから次にどこへ向かったか、などを検索で知ることができる。「人口マップ」では、どの地域の人口が多いか少ないかだけでなく、人口構成を「年少」「生産年齢」「老齢」と層別し、過去から将来に向かって構成がどう変動して行くか、地域のライフサイクルを読み取ることもできる。リーサスにはまだまだ使いこなせないほどの機能が眠っているので、いろいろ試してみることをお勧めする。

   多種多様なモノがネットワーク化された世界では、あらゆる産業分野において膨大なデータをいかに活用するかが競争上重要になってきている。こうした状況を捉えてビッグデータ活用の重要性が叫ばれているが、本質的にはデータ量の多寡や種類を問わず、いかにデータから価値を生み出し、新産業の創出や社会課題の解決につなげるかが鍵となっている。
 

 
【第二部】 私にとって「書く」行為とは
講師:
ステーショナリーディレクター・文具コンサルタント/土橋正事務所 代表 土橋 正 氏
   「書く」シーンはいろいろあり、私は考える時0.7mmのシャープか2Bの鉛筆を使い、原稿を書くときは太字の万年筆を使う。用途によって使うペンが違うというか、決まっている。

   「書く」ことは、伝えることだと思っている。手帳に予定を書いたり、ノートにアイデアを書き留めたりするのは、時間が経過した後の自分に伝えるためのものである。
   私は思考を巡らせるときよく紙に「書く」が、考える→書く→見る→刺激を受ける→考える…というふうにPDCAのサイクルが常に回っている。このとき刺激が大きいほど次の考えが出やすい。

   また、筆記具というのは感情を伝える道具だと思う。筆圧によって強くも弱くも書け、その時の感情がそこに現れる。感情表現に向いた筆記具としては、筆>黒鉛芯(鉛筆)>万年筆>ボールペンの順になる。筆や黒鉛芯には筆跡の不確かさがあり、筆跡が立体になっている。またその分、刺激も大きい。万年筆はインクの濃淡に感情が現れる。ボールペンは線が一定なので正確に情報を伝えるのに便利で、申込書や伝票の記入に用いている。今後、筆記具の機能には、「感情表現ができる」ことが求められるようになるのではないか。情報だけならパソコンで済む。

   「書く」ことで、頭の中に空間をつくることができる。この空間というのはアイデアの源泉で、頭の中に空白部分を作っておくと、そこからアイデアが湧いてくる。アイデアを思いつくのは、散歩していたり、風呂に入っていたり、電車に乗っている時など、適度に身体は使っているがその行為のために頭を使っていない状態の時である。いつアイデアが生まれるか分からないので、常に手のひらサイズのメモ帳を持参している。私は、机もすっきりと視界に余計なものがないよう空白を作っているし、スケジュールもわざと空白を設けてアイデアが出やすい環境を作っている。

   「書く」と「打つ」の違いは?というと、「書いたもの」には場所があり、記憶に残りやすい。「考える」のに向いている。「打つ」方は、それとは別に「まとめる」のに向いている。用途によって使い分けていくことが必要である。人が「考える」ということをやめない限り「書く」はなくならないだろう。ダンスをやっている人が、ダンスの振り付けを覚えるのにノートに書いて覚えていたそうである。でも、今はもうやめたそうで、理由を聞くと「全部を書きとめられない」からだった。「書く」ことは、万能ではなく文字に置き換えづらい分野には向いていないのだ。

   筆記具で最近注目しているキーワードは、1つが「ウェアラブル」で、身に着けるスタイルの変化が気になっている。例えばクールビズなどで背広を着なくなったのでペンはズボンなど下半身に携帯するケースが増えている。そうするともっとスリムでショートな筆記具が望まれるようになる。もう1つは「単機能」で、日本の筆記具は多機能化が進んでいるが、欧州などでは単機能のものが多い。「多機能」は外での仕事には適しているが、デスクワークでは選ぶという行為が加わわるため「単機能」の方が集中できる。あとは「表現力」で、感情が表現できる筆記具の新製品が待たれる。
   (以下、質疑応答が続きますが、紙面の関係で割愛させていただきます。)

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