JAPAN WRITING INSTRUMENTS MANUFACTURERS ASSOCIATION
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ISO/TC10/WG18杭州(中国)会議 出席報告

日本筆記具工業会
2013.5.15

ISO/TC10/WG18杭州(中国)会議 出席報告
報告:㈱サクラクレパス 塩井恵子顧問
   ISO/TC10/WG18杭州会議に、三菱鉛筆 小野氏とともに出席致しました。三菱鉛筆からは日中英の3か国語が話せる通訳を用意していただきました。
   杭州は南宋の時代に都だった大都市で、西湖は風光の美で日本でもよく知られています。
   しかし、欧州や米国から遠く離れた中国で、しかも鳥インフルエンザが新聞を賑わせていた頃でしたので、出席者が少ないことを心配していました。
   そこで、中国の筆記具業界の方を筆記具工業会の事務局に紹介していただき、折角の機会なのでISO会議に出席し、日本の委員との意見交換もしましょうと呼びかけました。その効果があって、メーカー(BEIFA、白雪文具、中国第一鉛筆等)、標準化機関、および試験室から計7名もの方が出席されました。欧米からの出席は結局、事務局のMr. Radheだけでした。
   今回は、この数年間メインテーマであった安全キャップの改正の最終処理です。 尾栓規格案はすでに廃案となり、キャップのDIS投票は100%賛成という結果で成立は決まったようなものですが、日本2件、フランス1件のコメントが出ており、その解決が必要でした。今までの経緯を知らない中国メンバーからは、尾栓規格はなぜ廃案になったかという質問や、キャップには短いものは免除が必要だという提案が出されました。
   今日はコメント解決のための会議なので、詳細は中国の代表に聞いてほしいこと、また新たな提案はNWIP(新規活動提案)として提出が必要なことを説明して了解を得ました。コメント2件は編集上の問題ですぐ解決、残り1件のリングゲージの引用文献はMr.Radheから特に重要でないので削除する提案があり、全員一致で賛成し、これらは最終日の総会でも了承されました。
   提案者の英国のいない間に日本の思うようになり申し訳ない気もしましたが、これで本部の発行作業のみとなります。
   次に日本から、JIS 6013:シャープペンシルの改正活動中で、それが終わり次第、ISO 9177: Mechanical Pencilsは製図用なので、新たに一般用規格を作るNWIPを出す予定であることを述べ、三菱鉛筆 小野氏がその背景やポイントを、PDFファイルを使って説明しました。
   ISOは英語で会議が運営されるので、資料も小野氏に英語で作っていただきました。ところが説明が始まると、中国メンバーからざわめきが起こります。中国人の出席者の半数以上が英語は読めないというのです。日本人は話せなくても読めるという人が多いので同じだろうと思っていたのが甘かったようです。事務局のMr.Radheも入って日中英の言葉が飛び交い、通訳の方には本当にご苦労をおかけしました。
   今回は日本の改正活動の紹介だけなので特に審議はなかったのですが、シャープペンシルの性能で何が重要かで意見がいろいろと出て、とても有用な会議になりました。日本の改正案が固まれば中国に知らせる、中国は自国の規格を日本に送るという情報交換の約束をして、会議を終えました。
   次回は来年5月ロンドンの予定です。
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