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万年筆(まんねんひつ)は、軸内に保持したインキがペン芯を通じてペン先まで毛細管現象により持続的に供給される構造を持つ携帯用筆記具。
インキの保持にはインキカートリッジを用いたものやインキを吸入するものがあります。 |
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万年筆は微妙かつ繊細な書き味の筆記具です。その最大の特徴は、小さな金属を2つに割ったペン先から生まれるデリケートな書き味。ペン先に加わる力の強弱によって弾力が生まれ、独特の書き味が実現します。
字幅も、細いものから太いものまで様々。使う人の個性が発揮できる筆記具です。
また、比較的低筆圧でも筆記でき、万年筆の名のとおり半永久的に使用できます。
なお、使用するうちに使用者の癖に応じてペン先の形状などが変化し、使用者に合った書き心地(いわゆる“馴染む”状態)になることも、万年筆ならではの特徴です。 |
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万年筆の構造・各部名称 (形状は一例を示す) |
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ペン先には、腐食に強く適度な弾力がある金属が使われる。14金や18金を使用したものやステンレスが一般的。 |
ペンポイント:
ペン先の先端には耐摩耗性に優れたイリジウムの合金が溶着されている。このペンポイントは字幅の基本を決め、紙へのタッチのなめらかさを左右する。 |
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万年筆はサインペンと同様に毛細管現象(毛細管力)を利用した筆記具です。
インキタンク内からインキが引き出されペン先へと伝わり、その先端から紙の繊維に引かれることで筆記できます。
そしてこの毛細管力が効果的に働くよう、ペン先とインキタンクの間に位置するペン芯には、さまざまな工夫がなされています。まずその一つが空気溝の設置です。たとえば醤油さしは2箇所に穴があいており、片方を手で押さえると醤油は出てきません。
これと同様に万年筆も、筆記時にインキと同量の空気がインキタンク内に入らないとタンク内が真空になり、インキが出なくなります。そこでインキと空気との交換がスムーズにできるよう、空気穴と同じ働きをする空気溝がペン芯に切られています。
ただし、インキタンク内に空気が取り込まれるようになると、気圧変化の影響を受けるようになり、インキが出すぎるという問題が生じます。たとえば飛行機や高所で気圧が下がった場合インキタンク内は通常気圧のままなので、インキが勢いよく引き出されてしまいます。そこで、ペン芯に細い溝(くし溝)を切り、余分に引き出されたインキが保持されるようにしています。 |
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*画像をクリックすると拡大画像で見られます。 |
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出典:「モノ知り学ノススメ第三巻」日刊工業新聞社 平成15年 イラスト:輪島正裕氏 |
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