万年筆の歴史
   最古の筆跡として約8,000年前、瓦に棒状の道具で傷を付けたものがメソポタミアで発見されました。
   その後ギリシャ・ローマ時代には蝋を薄く塗った板に先の尖ったペン(スタイラスと呼ばれ金属でできたもの)で文字を残していました。
   中世に入るとこのスタイラスに代わり、ガチョウの羽を硬く乾かし先端を削ったものが文字を書く手段に使用されていました。
   1780年頃になると羽ペンの代わりに英国のサミュエル・ハリソンが鋼鉄ペンを完成させました。この頃はインキ壺に何回もつけては書いていましたが、そのわずらわしさを解消すべく、1809年イギリスのフォルシュがこの鋼鉄ペンとインキ貯蔵部を持つ今の万年筆に近いものをつくり、その頃同じくイギリスのブラマーは「Fountain Pen」と名づけて特許を取得しました。
   しかしながらこの頃のペンは完全なものではなく、その後1884年アメリカのウォーターマンが毛細管現象を応用してほぼ現在の万年筆の礎を作りました。
<万年筆の歴史>年表

ペン先の開発

1780

サミュエル・ハリスンが薄い鉄板を筒状に丸め、合わせ目を切り割りとして利用した鋼鉄ペンを製作

1795

フェロースがハリスンのペンを改良し、切り割りを後から入れた鋼鉄ペンを製作

1804

テナントが万年筆のペン先に必要不可欠な素材であるイリジウムを発見

構造の開発

1809

フォルシュが空気交替によりインキを軸内に貯蔵できるペンを考案し特許を取得

1809

ブラマーが軸内にインキを貯められる筆記具の特許を取得し、Fountain Pen と名付ける

基本形の完成

1852

ホーキンスがイリジウム付金ペンを製作

1884

ウォーターマンが毛細管現象の原理を応用したペン芯の特許を取得し、現在の万年筆の基本型が誕生する

日本国内販売

1895

丸善が日本で初めてウォーターマンの万年筆を輸入、販売

1908

伊藤農夫雄がペン先を輸入してスワン万年筆発売

国産メーカー誕生

1911

坂田久五郎が万年筆の製造販売開始
坂田製作所
現・セーラー万年筆創業

1916

並木良輔が純国産金ペンを完成
1918
年に並木製作所現・パイロットコーポレーション創業

1919

中田俊一が万年筆事業に着手
1924
年に中屋製作所現・プラチナ萬年筆創業

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